「虫が怖い」「星空をゆっくり見たことがない」−−。学校の先生を目指す学生は自然観察や科学実験の経験が乏しい傾向にあるとして、東京都教委は来春の小学校採用内定者向けに、大学や動物園で簡単な実験や飼育実習の講座を設けることにした。理科への苦手意識をなくしてもらうための新たな試みだ。 都教委は将来のリーダー育成を視野に、都内の教員志望の大学4年生を対象にした「教師養成塾」を毎年開いている。昨年度の受講生150人に対し、指導に関するアンケートを取ったところ、約8割が「理科の実験や動物の観察などに不安がある」と回答。さらに16%が「動物や昆虫が苦手」、20%が「天体や星の観察をしたことがない」と答えた。中には「怖くて虫に触れない」と明かす受講生もいた。 そこで、教壇に立つ前に少しでも自信をつけてもらおうと、内定者約1200人から希望者延べ760人を募り、12月〜来年2月に理科の実践指導の養成講座を設