農林水産省は19日、北海道網走市の畑でジャガイモ生産に大きな被害をもたらす病害虫「ジャガイモシロシストセンチュウ」を確認したと発表した。 国内での確認は初めて。害虫が付着したジャガイモを食べても人体に影響はないが、根に寄生し養分を吸い取るため、広がれば、収穫量が大きく減る恐れがある。 農水省は同日、北海道庁に土壌の移動防止などの対策を徹底するよう要請。発生範囲を特定する調査を開始した。北海道産の種イモは、植物検疫で害虫が付着していないことを確認している。8月上旬に農家から報告を受け、農水省が植物防疫官を派遣し調べていた。発生経緯などは不明。 この病害虫は北海道など国内の一部で確認されている「ジャガイモシストセンチュウ」に似ており、土壌を介して広がる。ロシアや欧州、米国などに分布し、抱卵した雌が球状に固まると、乾燥や低温に強くなり根絶が難しい。