「右ウイングバックのポジションをできるか?」。 前節・敵地での名古屋戦。86分にベンチに呼ばれた木村裕はネルシーニョ監督にそう聞かれると、「できます!」と即答していた。太田徹郎に代わってピッチに入った木村は、「とにかく気持ちで球際には激しく行こう」と、マッチアップした選手へタイトにアプローチ。チームは終了間際に決勝点を奪われたものの、自身のサイドが破られることはなかった。 「僕はずっとFWをやってきたので、守備をしている僕を見て両親は“ハラハラドキドキ”だったようです。試合後には『頑張っていたんじゃない』と言ってもらえた」と背番号19は照れ笑いを浮かべていた。 トップチームに昇格した今季。試合にはなかなか絡めず、名古屋戦の途中出場は第8節・大宮戦以来の出場機会だった。それでも「毎日が充実していた」と木村。そんな彼を支えていたのが出場機会には恵まれなくとも「腐らず練習している先輩たちの姿」だ