→紀伊國屋書店で購入 日本ジャーナリスト会議大賞、石橋湛山賞、早稲田ジャーナリズム大賞、受賞おめでとうございます、といえばいいのだろうが、手放しで祝辞を贈れないものがある。いまごろになって、本書のような本が受賞すること自体、戦後日本のジャーナリズムの問題であり、朝日新聞の問題だろう。 本書は、2007年4月から翌年3月まで「朝日新聞」夕刊に週5回掲載された「新聞と戦争」をまとめたものである。ひと言で言うと、朝日新聞の戦時報道を、いまごろになってようやく検証した成果である。その評価は、最後の章「特集編」の「メディアの果たす役割は 3人に聞く」に代表されるだろう。 井上ひさしは、「新聞と戦争について戦後いろいろな記事が書かれたが、今回の連載「新聞と戦争」は出色のできばえだ。過去の自らの活動を、驚くほど厳しく自己点検している。過去と同じわだちにはまりこまないために必要な作業だと思う」「引き続き勇