川から津波が 海見えぬ山あいの集落まで爪痕 宮城 津波は津谷川を逆流し内陸部の新明戸地区の集落をのみ込んだ=3月11日午後3時55分ごろ(気仙沼市本吉総合支所提供) 南三陸町を襲った大津波は、遠く離れた内陸部にも大きな被害をもたらした=4月中旬、南三陸町志津川小森 「向こうの山の辺りに白波が見えた」と指さす阿部さん。自宅には床上1メートルまで津波が押し寄せた=4月中旬、女川町女川浜新田) 東日本大震災の大津波は、海が見えない場所にある山あいの集落をものみ込み、多くの命を奪った。海岸線から離れているにもかかわらず、濁流が来襲した地区を見ると、ある共通項が浮かび上がる。津波は、河川をすさまじい勢いでさかのぼっていた―。 ◎内陸4キロ油断突く 気仙沼・本吉 気仙沼市本吉町津谷で家電販売店を営む狩野昭夫さん(76)と妻カツ子さん(69)は、赤牛漁港近くの親類宅で地震に遭遇した。 声失う光景 「