原発から約25キロしか離れていない物件でもすぐに入居者が決まった。右は丸福不動産の渡辺社長=福島県南相馬市で、内橋寿明撮影 福島第1原子力発電所の周辺自治体で、賃貸物件への入居希望が殺到している。避難指示の出ている20キロ圏内の住民や、津波で自宅を流された人が、不便な避難所暮らしを敬遠して戻ってきているとみられる。不動産会社などによると、屋内退避指示が出ている20〜30キロ圏に近い福島県相馬市やいわき市のほか、11日に「緊急時避難準備区域」に指定された北20〜30キロ圏内の南相馬市中心部でも空室がほぼなくなっているという。【内橋寿明、高橋昌紀】 原発事故直後は、南相馬市でも避難する人が相次いだが、地元に勤務する人たちを中心に、3月下旬から帰宅する人が目立ち始めた。 同市原町区の丸福不動産は、3月下旬ごろまでは原発から20キロ圏外に約100の空室を抱えていたが、現在はほとんどがふさがり、