改めて、原発の緊急時対策を見直してみると、仮にすべての冷却水が止まってしまうと、約3時間ほどで使用済み核燃料の崩壊熱によって燃料棒が破損し始め、数時間で炉心全体に影響が及ぶ、と元来考えられていたことが分かります。 改めて3月12日を振り返って、いかがだったでしょうか? 私は11日の地震のあと福島原発の事故が報道され、NHKに出演していた同僚の工学部の先生の解説に沿って、その内容から物理学の基礎がないと誤解しやすい細部を、ツイッター上で補うということをしていました。 この時点では、東京電力福島第一原発の状況はほとんど外部に知られておらず、また原発の中でも事態の正確な状況は把握されておらず、あるだけの情報からベストを尽くしてどなたも考えておられた、と思いたいところです。 が、結果的に地震が午後3時前にあったあと、翌日の早朝には炉心の大半は融け落ちて、圧力容器内の途中、制御棒がスクラムを組む枠の