前から、『エヴァンゲリオン』が「セカイ系」だという話がぴんとこない。だってそれなりに「社会」も描いてるような。「社会」というか、「シャカイ」なんだろうけど。 エヴァンゲリオンが「セカイ系」とされる理由は、社会の描きこみが不足しているという点よりも、個人的・内面的なものが、世界の危機・この世の終わり的なものと直結する、という点なのだろう。「セカイ系」とは、そういう作品構造のことである、という話ならまあわかる。 しかし、そのような作品構造はそれほど特殊なものだろうか?いや、あれがあるじゃないですか、『ハムレット』が。碇シンジはハムレットなんじゃないかと。キャラクターやいろんなモチーフはけっこう重なるところがあると思う。あの優柔不断ぶり。オフィーリアとのわかりにくい関係。やりたくもない復讐をやらなくちゃならない。父・母への屈折しまくった思い……シンジ君のキャラは、嫌いな人には相当嫌われますが、ハ