Lisp の対話型環境はRead, Eval, Print ループ(REPL)と呼ばれます.ユーザがコマンドをS式としてタイプし,システムはそれを読み,評価し,評価結果を印刷します.Lisp ではこの一連の動作は,当然 Lisp の意味論にしたがって,それを実現するようになっているわけです.しかし,この Lisp の意味論にはそれほど数学的論理的にきっちりとした定義があるわけではありません.Lisp の実装者はCommon Lisp の仕様書,CLtL1やCLtL2,ANSI-CL仕様書を読んで,それを実現するように実装するわけです.もちろん,参考とするためのソースコードがあったりするわけですが(初期にはSpice Lisp, CLOSにはPCLがあった.湯浅先生と萩谷先生は参考ソースコードなしでKCLを開発したが),一方Schemeには立派な(すぎる?)表示的意味論の仕様があったりします