国立大学での国旗掲揚国歌斉唱を求める文科省の要請に対して、大学人として反対している。 その理由が「わからない」という人が散見される(散見どころじゃないけど)。 同じことを何度もいうのも面倒なので、国旗国歌についての私の基本的な見解をまた掲げておく。 今から16年前、1999年に書かれたものである。 私の意見はそのときと変わっていない。 国旗国歌法案が参院を通過した。 このような法的規制によって現代の若者たちに決定的に欠落している公共心を再建できるとは私はまったく思わない。すでに繰り返し指摘しているように、「公」という観念こそは戦後日本社会が半世紀かけて全力を尽くして破壊してきたものである。半世紀かけて国全体が壊してきたものをいまさら一編の法律条文でどうにかしようとするのはどだい無理なことだ。 ともあれ、遠からず、この立法化で勢いを得て騒ぎ出すお調子者が出てくるだろう。式典などで君が代に唱和