「私たちの教えこそが本物、本当に正しいのは私たちの教えだけ」と本気で考えているのであれば、「奴らは間違っている、奴らはわかっていない」という他を否定する断定を避けることはできない。 ならば当然のこと諍いは起こるし果ては殺し合いにもなる。 それなのに「私たちの教えこそが本物」という考えが少しもない宗教というのはおよそ考え難い。というかおそらく、全ての宗教が程度の差はあれそれぞれに「私たちの教えこそが~」と根底では思っている。「私たちが一番」、「正しいのは私たち」と口には出さずとも思っている。 でもまあそうじゃなかったら多分どの宗教もそもそもやってられないだろう。 優越性や普遍性や唯一性を言わない宗教というのはあり得るだろうか。相対主義的な宗教。 だが宗教というものが無上の教えを説くものであるとすれば、それがどのような教えであろうとも「相対主義的な宗教」という言葉はそもそも矛盾している。 もし