皇統の危機は深まる 「退位特例法」(正式には、「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」)が成立し、6月16日に公布された。これが来年にでも実際に施行されれば、現在の天皇が退位し、新しい天皇が即位することになる。 天皇が生前に退位するのはほぼ200年ぶりである。また、皇位の継承について定めた皇室典範が、そうした事態を想定していないこともあり、実現までに紆余曲折はあった。けれども、昨年8月8日の天皇による「お気持ち」の表明に沿った線で問題の解決がはかられることになった。 しかし、皇室の存続が危ぶまれる事態が解決されたわけではない。「女性宮家」の創設などが提言されているものの、皇位の安定的な継承、あるいは皇族の減少をいかに食い止めるかの議論は、新たな天皇が即位してからとされ、先延ばしされている。その時点では、秋篠宮家の眞子内親王は結婚し、皇籍を離れているはずで、事態はより深刻なものになっている可能