これまでこのブログで,Lispで学ぶ集合論,Lispで学ぶゲーデルの不完全性定理,をやってきましたが,それでもいまいち隔靴掻痒的な感覚をぬぐいきれませんでした.自分自身に対しても,そして読者に対してもそうだろうと思います.ところがもうこれ以上の説明はないという感じの解説書がありました.実は初版はすでに1998年だったのですが,書店で新書でつまれているのを発見して購入したのです.それが野矢茂樹氏の「無限論の教室」です.私的には世の中にあまたある,無限論,ゲーデル本の中でこれが一番.対角線論法を軸にしてカントールの集合論から,ラッセルのパラドックス,ゲーデルの不完全性定理を統一的に説明する.しかもタジマ先生と男女二人の学生を登場させて,ちょっと庄司薫っぽく,小説仕立てにして.いやー,楽しく読めていままで腑に落ちなかったところが落ちるように思える. 以前にチャイティンによるゲーデルの不完全性定理