学習ガイドラインとしてだと思うのだが、ソフトウェア・エンジニアの数学学習のために、情報処理学会誌「情報処理」の2015年5月号の特集「いまさら聞けない!コンピュータの数学」が勧められていた*1ので、確認してみた。計算機工学に必要な数学のための本が十分ではない事を背景に、どういう種類の数学が必要になるのかさわりの部分を紹介する特集で、内容は興味深い。しかし、大学一、二年次の数学の続きを説明するものだけに、基礎的な大学数学の知識が無いと十分に理解できないかも知れない。 第1節の「プログラミング言語の数学」は、プログラミング言語の形式意味論の紹介記事になっていて、平易な記述となっている。Haskell厨が言いたい事を理解したい人は読んでおくと良いかも知れないが、大半の職業プログラマは言語自体のデザインは行わないので、興味が沸く人は少ないかも知れない。 第2節の「数値計算における数学」は、連立一次