日本は古来から多宗教の国である。神道と仏教が融合し、その宗派・信仰対象は雑多に分かれている。節句や七五三、地鎮祭などには氏子として神道の儀式をえらび、死にさいしては檀家として仏教寺院に葬儀・法要を営んでもらう。明治維新の廃仏毀釈、敗戦による国家神道の否定によって今では分散的になっているが、かつては神仏習合として渾然一体となっていたという。 その一方で、信仰の唯一性をもとめる法華宗やキリスト教も排除することなく、日本人は受容してきた。そして数多くの教派神道や新進仏教、キリスト教の諸宗派、イスラム寺院――――。 逆に言えば、このように雑多な宗教が乱立する日本は、いわば無宗教の国でもある。何となく神社で祈願をしたり、仏教寺院に先祖のお墓参りをしたり、教会で結婚式をおこなう人も多い。クリスマスにハロウィーンを、節会と同じようにイベント化する。そこには信仰心と呼べるものはないだろう。 したがって、日