タグ:映画「おくりびと」と日本人の死生観,井出敬二 前在中国日本大使館広報文化センター所長,米国のアカデミー賞外国語映画賞 2月22日、米国のアカデミー賞外国語映画賞の発表が行われ、日本映画「おくりびと」が受賞しました。日本独特の葬式の習慣を描いたこの映画が、アメリカ人にも認められ、アカデミー賞外国語映画賞を受賞したことは、死者の弔い方についての日本の習慣がある程度普遍的な共感と理解を得ることができたのではないかということで、日本でも大変大きなニュースとして報道されました。私もこの映画を見たので、この映画を紹介しながら、日本人の死生観について論じたいと思います。 1. 映画「おくりびと」について 「おくりびと」というのは、「死んだ人を『あの世』(死後の世界)に送るひと」という意味です。必ずしも一般的に使われる日本語ではなく、この映画によって知られるようになった表現です。この映画の英語名は「