現代美術家・村上隆がはじめてメガホンをとって作り上げた映画『めめめのくらげ』が公開されている。彼の現代芸術家としての輝かしいキャリアと、初めての体験となった邦画の監督という立場は、一見するとかけ離れているように見える。しかし、この作品は、村上がこれまで大切にしてきた「勘違いの連鎖」の上にある作品なのだという。 今回は、村上の作品が日夜生み出されている「カイカイキキアトリエ」という創作の場で、この映画が生まれた経緯や、海外と日本におけるアートのとらえ方の違い、そして映画の「次」に取り組みたい事柄などについて聞いた。 村上隆 1962年、東京都生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。1991年に青井画廊でアーティストとしてデビュー。2008年、米TIME誌「世界で最も影響力のある100人」に選出され、英国のアート誌Art Reviewの特集では10年連続で「世界のアート業界をリー