あなたのおっしゃること、よくわかります。その昔、菊池寛の短編に「藤十郎の恋」というのがあります。「芸」のためだったら、非人道的行為もいとわない役者の話ですが、何事も「芸のこやし」みたいなところがありますよね。品行方正な俳優が上手いとは限りません。私生活が破天荒な人に限って、役の上で、すさまじい迫力が出ることがあります(勝新太郎、ショーケン、ショーン・ペン、晩年のマーロン・ブランドやリチャード・バートンなどなど)。僕もミヤネ屋を見ていました。ゲスト席に梅沢富美男が座っています。果たして梅沢は、「酒も芸のこやし、大目に見てください」と言うのか、「私生活も大事」というのか、興味深く見ておりました。驚きました。顔を紅潮させて、「演劇人の先輩として」と前置きした上で、烈火のごとく怒ってました。見ててビックリするほどです。「いいところに生まれ、大松竹をバックにして、満員のお客さんを前に演技できる、そう