加計学園が愛媛県今治市に計画している獣医学部について、文部科学省の大学設置審が新設を認める答申をした。 はっきりさせておきたい。 来春開学の見通しになったからといって、あの「総理のご意向」をめぐる疑いが晴れたことには、まったくならない。 問われてきたのは、設置審の審査をうける者を決めるまでのプロセスが、公平・公正だったかどうかということだ。 国家戦略特区の制度を使って獣医学部を新設する、その事業主体に加計学園が選ばれるにあたり、首相や周辺の意向は働かなかったか。逸脱や恣意(しい)が入りこむことはなかったか――。 こうした疑念に白黒をつけるのは、設置審の役割ではない。教員の年齢構成や経歴、科目の体系などを点検し、期待される教育・研究ができるかを専門家の目で判断するのが仕事だ。見る視点や材料が違うのだから、特区選定の正当性を裏づけるものにならないのは当然だ。 むしろ、きのう公表された審査資料に
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