「はじめに」 大学は学問の府であり、研究と教育を使命とするものであることは、いうまでもありません。しかし、研究と教育を行うのは教員であり、学生はもっぱら教育を受ける受動的なものと考えるのは正しくないと思います。研究と教育とは真理の探求という目標においてつらなっており、その限りでは、学生も教わりながら真理の探求に参加するものです。諸君たちは、そのみずみずしい感受性や思考力を大いに活用して、新しい知識の創造に、能動的、積極的に取りくんでいかねばなりません。 さて、新入生をふくめて、現在本学で学んでいる学生諸君は、来るべき21世紀には、丁度40才代を迎える人達です。年令的には、まさに円熟し、新世紀の文字通りリーダーたるべき人達です。この際、思いを新たにして、我執をすてて虚心にかえり、我々の先達の歩んできた道に反省を加え、正と邪とを判別するきびしい批判精神を武器に、きたるべき新世紀の文字通り百年の