コンピュータができたとき、フォン・ノイマンが、それを指して「世界で2番目に頭がいい」と言ったそうである。その時のコンピュータの能力は、今のスマートフォンより劣る。今では、スマートフォンが世の中に溢れているから、残念なことに、頭がいい人間の価値が相対的に低くなってしまう。しかし、頭がいいということはどういうことだろうか?コンピュータを指して頭がいいというのは、「計算が早く、記憶がいい」という能力を評価してのことである。確かに、「計算が早く、記憶がいい」人を指して、「あの人は、頭がいい」という場合もあるだろう。ところが、残念なことに、人間は、計算力、記憶力においては、コンピュータに負けてしまう。つまり、今、人間がやっている計算と記憶は、コンピュータにすべてやらせたほうが、経済的には、コストダウンになる。そういう時代である。けれども、「計算が早く、記憶がいい」ことは本当に頭がいいことなのだろうか