5月21日、栗城史多さんの所属事務所は、同氏のフェースブックページ「栗城史多 "SHARE THE DREAM” (Nobukazu Kuriki "Sharing the Dream")」において「エベレストで下山途中の栗城が遺体となり発見されました」と発表しました。謹んでお悔やみ申し上げ、2013年3月11日号『日経ビジネス』の記事を再録いたします。 「彼は登山家なのだろうか」 日本を代表する女性登山家、谷口けいは、栗城史多に対してそんな思いを抱いている。谷口は栗城と対談したり、食事に行ったりと、公私にわたって交流がある。だが、同じことを生業にしているはずの谷口には、今年31歳になる栗城を言い表す適切な言葉が思い浮かばない。 栗城は大学3年生の時に北米最高峰のマッキンリー(標高6194m)に登頂、その後、7大陸最高峰のうち6つの山を登っている。8000mを超える山もヒマラヤ山脈のダウラ