ラーク便り 63 号(2014 年 8 月 31 日) 63 研究ノート 日本における反進化論思想と道徳教育の結びつき ―「サムシング・グレート」を例に― 藤井修平 はじめに 2008 年 2 月 21 日、 茨城県の県立高校で配布されていた道徳テキストに特定宗教団体の教 義の一部を伝えるために書かれた文章が引用されており、 これが憲法および教育基本法の政 教分離の原則に違反するとして、 茨城県高等学校教職員組合が県教育委員会に是正を申し 入れた。 これに対する県教育庁の回答は、 引用箇所の文章は宗教教育にはあたらず、 問題 はないというものであった (常陽新聞 2008/2/22)。 この際に問題とされたのが、 筑波大学名 誉教授の村上和雄による 「サムシング ・ グレート」 についての文章だった。 そして 「教科書 改善の会」 が 2011 年に育鵬社から検定教科書として出版した 『新