<< 前の記事 | トップページ | 次の記事 >> 2007年08月02日 (木)視点・論点 「総選挙後のトルコ」 一橋大学教授 内藤正典 7月22日、中東のトルコで総選挙がおこなわれ、与党の公正発展党は投票総数の46%という圧倒的な支持を受け、550の総議席のうち、340議席を獲得して勝利しました。 総選挙は、もともと11月に予定されていたのですが、去る4月、大統領選挙をめぐって混乱がおき、与党の大統領候補を国会が選出できないという異例の事態になったため、エルドアン首相は国会を解散し、国民に信を問うことにしたのです。 80年代から90年代にかけて、激しいインフレのもと、社会の格差が広がったことや、中道政党に汚職が蔓延したことなどから、イスラーム政党は徐々に国民の支持を集めていきました。 イスラームという宗教、貧困層のような弱者に対する救済をもっとも大切な道徳としていますから、格差社