2010年の人口ピラミッド。もし団塊ジュニア世代による出産ラッシュがあったなら、15歳から下あたりが増えていたはず 進行する日本の高齢化社会の解決策として、少子化対策や移民政策を挙げる人がいる。だが、果たしてそれで本当に解決するのだろうか? 日本の行く末を識者とともに考える。 *** 今の赤ちゃんもあと20年もしたら成人し、いずれは働くようになる。だから、「高齢化対策には、子供をたくさん産めばいい」と考える人も多い。今からでも少子化対策に力を入れれば、人口減少は食い止められるのだろうか。 政策研究大学院大学名誉教授の松谷明彦氏は言う。 「難しいでしょう。少子化の原因は出生率ではなく、子供を産める女性の数の激変にあるからです。出生率が現在のまま推移したとしても、生まれてくる赤ちゃんは、現在の110万人から2030年には70万人ほどに減ってしまいます」 日本総合研究所調査部主席研究員の藻谷浩介