◇共存のルール見いだせ−−山極寿一(やまぎわ・じゅいち) 人間はいつまで領土とか国境とかにこだわり続けるのだろうか。竹島や尖閣諸島の問題について述べているのではない。もう少し一般的な人間の集団間の関係について考えてみたいのだ。 人間とは自分の由来にこだわる動物だと私は思う。どの家族に、どの土地に生まれ、どの組織に属し、どの国の一員であるかが常に付きまとう。それは人と付き合う際に、自分を証明する手段として重要だ。どの社会でも、どこの誰だかわからない人と、すぐに心を許して付き合おうとはしないからだ。 しかし、自分の由来は必ずしも土地や国に結びついているわけではない。個人のアイデンティティーは自分を育ててくれた家族や共同体に結びついており、土地に限定される必要はない。自己を証明する手段をもって複数の集団や社会を渡り歩ける現在、自分の由来を特定の土地に結びつけて語る必要が果たしてあるのだろうか。ま
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