「国家公務員の賃金引き上げ」をすべり込ませる 1月23日に国会で行われた岸田文雄首相の施政方針演説の中に驚くべきひと言が含まれていた。「構造的な賃上げ」というくだりだ。「まずは、足下で、物価上昇を超える賃上げが必要です」というのは岸田首相が繰り返し主張してきた「分配」すれば経済の好循環が始まるという話で、庶民からしても物価が上がり続ける中で賃上げしてくれるならこんな助かる事はない。「おや」と思ったのはそれに続く次の言葉だ。 「政府は、経済成長のための投資と改革に、全力を挙げます。公的セクターや、政府調達に参加する企業で働く方の賃金を引き上げます」 意図的なのか、文章としてはつながりが悪く、「政府は」がどこまで掛かるのか、判然としないが、政府が「投資と改革に全力を挙げる」のは当たり前の話として、それに続く一文である。突如「公的セクター」という言葉が出てくるのだ。意図的に様々な言葉をはさんでわ
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