問題となっているのは、米原発子会社ウェスチングハウス(WH)の経営幹部が部下に「不適切な圧力」をかけた内部統制の不備を巡る調査だ。東芝は、損失の引き金となった米国原発建設会社の買収をWHが決めた2015年秋までさかのぼって調べている。 問題事例は見つかっていないが、WH担当の米監査法人が15年秋以前にも調査範囲を広げるべきだと主張。調査を終わらせたい東芝と調整が難航している。 さらに東芝では、関係者からの聞き取りや10万通に及ぶ社内メールの分析などで作業も遅れがち。WHが先月29日に米連邦破産法の適用を申請し、「会計担当者らが時間をとられて遅くなった」(幹部)という。 このため、東芝の監査法人による決算へのチェックが完了できるかどうか不透明だ。延期が申請された際に、是非を判断する関東財務局は「3度目の決算延期は聞いたことがない」。認められなければ、今月21日が最終期限となり、上場廃止の危機