全国で4番目に大きい岡山市の造山(つくりやま)古墳(全長350メートル、国史跡)で、墳丘上にある石棺に線刻が見つかり、装飾古墳だったことが確認された。 装飾古墳としては国内最大となり、文化庁は19日に開かれる「古墳壁画の保存活用に関する検討会」で報告する。 造山古墳は、古墳時代中期(5世紀)に造営された前方後円墳。石棺は、江戸時代に偶然掘り出された。1990年代の専門家の調査で、長さ約1・5メートル、幅約80センチほどのふたの破片に、長さ5~15センチ、深さ1~2ミリ、間隔約1センチの平行な線などがあることが確認された。風化が激しく、もとの絵柄の復元は困難とみられる。 文化庁は昨年、装飾古墳の全国調査を行ったのを機に、造山古墳も含めることを決めた。線刻を発見した岡山県文化財課の宇垣匡雅・総括副参事は「装飾古墳の先駆的な資料となる貴重なもの。保全を図る必要がある」としている。