「マルクスよりマルクス主義が大事」と語る酒井隆史・大阪府立大教授=大阪市で2021年2月25日、清水有香撮影 19世紀の思想家カール・マルクスの大著「資本論」が改めて注目されている。「資本論」の名を冠した関連書が次々と刊行され、2020年秋に出版された「人新世の『資本論』」(斎藤幸平著・集英社)は20万部を超えるベストセラーに。なぜ今、資本論が読まれるのか。社会思想に詳しい酒井隆史・大阪府立大教授に聞いた。【清水有香】 資本主義そのものの危機 ――「資本論」の関連書が売れている背景には何があるのでしょうか? まず前提として、資本主義そのものがトータルな危機にさらされている今、それを根源的に問い返さなければという認識が広がっています。たとえば世界の政財界の指導者が集まるダボス会議は今年、資本主義体制を問い直す「グレートリセット」をテーマにした。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)や
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