居酒屋大手のワタミが、1996年の上場以来、初めての赤字に転落した。主力の外食事業の既存店売上高は前期比で7%減で、連結最終損益は49億円の赤字。今期は同社の居酒屋の1割にあたる60店を閉店すると発表している。このほか「甘太郎」などを運営するコロワイドは前期比で3%減、「はなの舞」などを運営するチムニーも4%減となるなど、居酒屋チェーンは総じて苦戦している。 居酒屋にとって、かねてからの経営課題は「若者の酒離れ」だ。国民健康・栄養調査によると、20代の8割は飲酒習慣(1日に1合以上飲む日が週3日以上)をもっておらず、飲まない人は徐々に増えている。 居酒屋に活路はないのか。若者の消費分析を専門とする博報堂のマーケッター・原田曜平氏に聞いた。 「さとり世代」はビールで乾杯しない 現代の若者は「さとり世代」と呼ばれます。消費をしない、上昇志向がない、恋愛に淡白。そんな消極的な性格を、さとりをひら