大王製紙の井川意高(もとたか)前会長(47)による巨額借り入れ問題で、井川前会長が連結子会社から借り入れた計約106億円のうち約90億円が、海外のカジノ関連会社の口座に前会長名義で入金されていたことが27日、関係者の話でわかった。 大王製紙の特別調査委員会の調べで、このほか十数億円が米国のカジノ運営会社の口座に直接振り込まれていたことが判明しており、借入金のほぼ全額の100億円超が海外でのカジノに使われていた疑いが出てきた。 大王製紙は28日にも調査委の調査結果を公表し、近く会社法違反(特別背任)容疑で井川前会長を東京地検特捜部に告発する方針。特捜部は調査結果の分析などを経て、前会長本人から事情聴取するなど本格捜査に乗り出すとみられる。