宝塚市の宝塚大橋の改修工事で一時撤去された裸婦像「愛の手」について、同橋を管理する県と市が、再設置を見送る方針に傾いている。芸術的な価値を認めつつ、ジェンダー(社会的・文化的性差)平等の観点から、公共空間に据えられることに不快感を抱く市民らに配慮した形だ。 女性が手の上で踊る姿を表現した一対の像で、神戸市出身の彫刻家、新谷 ●紀(ゆうき) 氏が制作。地元のライオンズクラブが1978年の橋の開通を記念して寄贈し、橋上に据え付けられた。昨年、工事のためにいったん撤去されていた。 44年前にも設置の是非を巡って論争が浮上。今回は橋の歩道空間の再整備に関し、県と市が橋を通行する人や市民を対象にアンケートをしたところ、「裸の像を不特定多数が通行する場所に置くべきではない」などの意見が十数件寄せられたという。 県と市はこうした意見をもとに再設置しない判断を固め、今秋にも正式決定する方針だ。 一方で、芸