韓国では2000年代以降、外国人の花嫁が増えている。その多くが仲介業者のあっせんで韓国の農村部に嫁いでいるが、夫から虐待を受けた末に殺されたり自殺したりする悲劇が後を絶たない。今年に入ってからは、江原道で36歳の韓国人の夫がベトナム人妻(21)の首を絞め殺害した事件も起きている。そして、2007年以降、韓国では「外国人妻の悲劇」がほぼ毎年発生しているのだ。ジャーナリストの室谷克実氏が、韓国での外国人妻の悲劇について解説する。 * * * 嫁いだベトナム人妻を待つのは、韓国社会からの差別、家庭内での暴力だ。 韓国農村経済研究院が全国34の農村部に暮らす国際結婚した400世帯を面接調査したところ、外国人妻の約2割が「ここ1年で家庭内暴力を経験した」と答えた(『東亜日報』2012年4月19日付)。家族から無視され侮辱的な言葉を浴びせられたり、外出を禁じられたりする上に殴るぞと脅され、また、実際に