厚生労働省は雇用保険の保険料率を引き上げる検討に入る。新型コロナウイルス感染拡大で雇用調整助成金の給付が増え、財源が逼迫しているためだ。国費投入のほか、企業や働く人の負担も増える。フリーランスの働き手の拡大など、働き方が多様化する中で財源の確保策とともに、雇用の安全網をどういう中身にしていくかも課題となっている。雇用保険は仕事を失った人が生活に困らないようにする失業者など向けと、雇用安定・能力
裁量労働制を全社的に違法に適用し、昨年末に厚生労働省東京労働局から特別指導を受けた不動産大手、野村不動産(東京)の50代の男性社員が過労自殺し、労災を認定されていたことがわかった。男性は裁量労働制を違法適用された社員の一人だった。東京労働局は遺族からの労災申請をきっかけに同社の労働実態の調査を始め、異例の特別指導をしていた。 労災認定は昨年12月26日付。同労働局は、同じ日に特別指導を公表していた。 安倍晋三首相や加藤勝信厚労相は今国会の答弁で、同社への特別指導を裁量労働制の違法適用を取り締まった具体例として取り上げたが、特別指導は過労自殺の労災申請が端緒だった。 安倍政権は、裁量労働制の対象拡大を働き方改革関連法案から削除し、来年以降に提出を先送りすることを決めたが、今の制度でも過労死を招く乱用を防げていない実態が露呈した。改めて対象拡大への反発が強まりそうだ。 関係者によると、男性は転
安倍晋三首相は2日朝、内閣官房に設けた「働き方改革実現推進室」の開所式で訓示し、室長の杉田和博官房副長官や職員約30人に「『モーレツ社員』の考え方が否定される日本にしていきたい」と述べた。 首相は「世の中から非正規という言葉を一掃していく。長時間労働を自慢する社会を変えていく」と強調。「働き方改革は最大のチャレンジ。大変困難を伴うが、私も先頭に立って取り組む」と決意を表明した。加藤勝信・1億総活躍担当相は「働く方々の視点、立場に立った検討をより進めていく。スピード感を持って取り組んでいきたい」と語った。
日本で働きながら技術を学ぶ「外国人技能実習生」がいる全国の事業所を対象に、去年、厚生労働省が立ち入り調査した結果、7割以上の事業所で違法な長時間労働や賃金の未払いなどの違反が見つかりました。 このうち違法な長時間労働など労働時間に関係する違反が31.6%と最も多く、次いで、職場の安全管理の違反が29.1%、残業代の未払いが20.9%などとなっていて、複数の違反が見つかった事業所もありました。 なかには違法に月100時間を超える残業をさせたうえ、1時間当たり300円から500円程度の賃金しか支払っていないケースもあったということです。 外国人技能実習制度をめぐっては違反が相次いだため、実習先の事業所を指導・監督する新たな機関の設置などを盛り込んだ法案が国会に提出されています。 厚生労働省は「悪質な事案に対しては刑事事件として扱うなど厳正に対処したい」としています。
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