「愛があればお金なんていらない……」かどうかは別として、愛があれば痛みを和らげることができるという。 これは、カリフォルニア大学の心理学者アイゼンバーガー助教授が、痛みを感じたときの脳の動きと「愛」という抽象的なものとの関係を探るために行った実験で明らかになったものだ。 長期にわたって特定の相手と交際中である女性たちに、針で刺したかのような衝撃を与え、そのときの脳の反応をMRIで観察した。被験者には交際相手、知らない人物、蛇や蜘蛛などの写真を順番に見せ、それぞれの写真を見ているときに一度ずつ同じ痛みを与えていった。 そして、実際に感じた痛みの強弱を被験者に記録してもらったところ、交際相手の写真を見ているときがいちばん痛みが弱いという結果になった。 脳内には、自分が安全な状況にあることを感じ取る前頭前皮質腹内側部と呼ばれる部分があり、交際期間の長い女性ほどパートナーの写真を見ているときにこの