プトレマイオスの天動説 天動説や暦の作成などの天文学が最古の物理学である。初期文明であるシュメール人、古代エジプト人、インダス文明などは太陽や月などの天体を観察した。これらの天体は宗教的に崇拝され、現代からすれば非科学的な現象の説明もされたが、これがのちの天文学や物理学へと成長する[3]。 16世紀以前のヨーロッパにおいて科学は、キリスト教的な要素を含んだアリストテレスの自然哲学が主流であった[4]。アリストテレスは物質の振る舞いを「目的論」(もしくは「目的因」)によって説明し、例えば天体が地球の周りを回るのは回転しようとする目的があるためだとした[4]。自然哲学は観測よりも哲学を重視したため、試行的な試験で事象を説明する現代科学とは性質が異なる。また、この時既に数学は中東やエジプトなどで発達していたが、自然哲学的な物理に使われることはなかった[5]。