高校のとき2つ上の先輩で三島くんという人がいて、おれは人生で大事なことはだいたいその先輩に教わった気がする。 当時はまだ札幌にもヤンキー文化のなごりみたいのがあって、みんな学ランのズボンはわりと改造の太いやつをはいてたりしたんだけど、三島くんはいつも細くて短いズボンでね。靴はラバーソウルで、髪はダイエースプレーでピンピン。そんな高校生は他にいなかった。おれがはじめて会ったパンクスだったのかもしれない。 おれはといえば、歳もまだ15、6で、読んでた雑誌はポパイと宝島、みたいな感じだったし、髪の毛はショートボブでウェリントンのメガネをかけてて、いま振り返るとだいぶ軟弱な感じだったと思う。とはいえ学ランはMAX RUGGERの短ラン(裏地は紫)とツータックのボンタンで。そういうのがわりと普通な時代だから、ほっそいモッズスーツみたいな学ランの三島くんは、すごく特殊で妙にかっこよく見えた。 ちなみに