安倍政権が「ホワイトカラー・エグゼンプション」の実験的な導入を検討していると報じられた。年収800万円超の課長級以上の社員が対象となる。労基法では、労働時間の上限は1日8時間、週40時間と規定されているが、導入されれば「ご自由に」ということで制限は取っ払われてしまう。つまり、残業代も休日・深夜割り増しもゼロ。ただでさえ、30~40代中間管理職は、上司と部下に挟まれて精神的な負担が大きいのに、給与まで抑えられたらやりきれない。 そもそも、ホワイトカラー・エグゼンプションは第1次安倍政権が導入しようとして断念した経緯がある。「残業代ゼロ法案」「過労死促進策」と批判を浴びて、07年に見送られた。 それを再び持ち出す理由は何なのか。しかも、前回の対象は年収900万円以上だったのに今回は800万円以上にして、対象者を増やす。そんなにサラリーマンが憎いのか。それとも参院選みたいに「カタキ」なのか。