日本では、多額の予算を投入して、いわゆるスマートコミュニティ事業が実施されている。当初は、オバマ政権のスマ-トグリッド事業に触発されてスマ-トグリッドの実証として検討されたが、電力制度改革前だったこともあり、日本型の事業となった。3.11の大震災を受けて分散型システムの構築が大きな命題となり、スマートコミュニティが結果的にその受け皿となった。ただ、スマートコミュニティの目的やモデルはいまひとつ明確ではない。 スマ-トグリッドの本質は、地域で、低電圧のネットワークにおいて電力需給を監視・制御するシステム構築にある。日本でも電力システム改革や小売り完全自由化が実施に移されることになり、スマ-トグリッド構築の環境は整いつつあるが、地産地消のモデルが不明確である。電力システム改革自体がまだ不明瞭であり、その実効性についても不確実性があるからだ。 ドイツのE-Energy事業は、地産地消型モデルとし