「千葉の製油所のタンクが爆発して有害物質を含んだ雨が降る」「放射能はイソジンを薄めて飲めば防げる」。こんなデマが東日本大震災以降ネット上で飛び交った。 かつて2ちゃんねるの管理人だったひろゆき氏は「うそはうそであると見抜ける人でないと(掲示板を使うのは)難しい」と発言していた。しかし、ここ数年で驚異的な速さでインターネットは普及し、嘘を見抜けようと見抜けまいと、あらゆる人にとってネットが欠かせないツールとなってしまった。 根拠なき誹謗中傷 このスピードにネットリテラシーの浸透は追いつかず、上記のような震災時のデマだけでなく、根拠のない誹謗中傷が今まさにネット上に溢れている。お笑い芸人スマイリーキクチの著書『突然、僕は殺人犯にされた』は、そんなデマによって起こった誹謗中傷との10年間の戦いの記録だ。 話は1999年に始まる。ある日打ち合わせで所属事務所に訪れたキクチが、マネージャーから事務所