終戦直後に京都大学から博士号を授与された旧日本軍の軍医が、人体実験を行っていた疑いが強いとして検証を求めている団体に対し、大学は、当時の資料がないことなどから、調査の継続は不可能だと伝えていたことが分かりました。 この論文について、大学教授などでつくる団体はサルの種類が書かれておらず、「頭痛を訴えている」など不自然な記述があることを挙げ、実験は捕虜を使った人体実験の疑いが強いとして、去年、大学に検証を求めました。 団体によりますと、先月、大学から予備調査の結果について回答があり、実験がサルに行われたことを否定する合理的な理由があるとは言えないうえ、軍医は死亡していて聞き取りはできず、実験ノートもデータも存在しないことから調査の継続は不可能だと伝えられたということです。 これに対して、団体は調査は不十分だとして異議を申し立て、改めて詳しい調査を求めたということです。 団体の事務局長を務める滋