フィクションに出てくる、ピュアすぎるヒロインが苦手だ。 ピュアすぎるというと婉曲で、白痴的なまでに主人公を愛する女性キャラクターが苦手だ。痛々しくて見るに堪えない。 恋愛SLGに出てくるアレとかコレとか。 あるいは、ゆる4コマに出てくるアレとかコレとか。 おれは何も彼女たちの振る舞いや発言がイタいから見るに堪えないのではない。 彼女たちが主人公、ひいては読者を愛する役割を背負わされたがために、知能を剥奪されているようで辛いのだ。 あるところに人間がいる。孤独で純粋で、自分に自信が持てなくて、不幸なことにあまり頭が悪くない人間がいる。 そいつは現実では満たされずに過ごしている。仕事も人間関係もぱっとせず、そいつを特別だと扱ってくれる人間とまだ出会えていない。もしかしたら死ぬまで出会えないかもしれないという漠然とした不安と寄り添って生きている。 そいつは損得勘定を差し引いた、純粋な愛情を求めて