経済産業省は25日午前に開いた「東京電力改革・1F問題委員会」で、東京電力ホールディングスの原子力発電事業を分社する案を示した。持ち株会社が担う原発事業を切り出し、ほかの電力会社と再編しやすくする。福島第1原発(1F)の事故後に停止した原発の再稼働が進まないなか、国主導で原発事業の改革に取り組む姿勢を鮮明にする狙いがある。世耕弘成経産相は同日の閣議後の記者会見で「東電は非連続の改革をすることに
獨協大学経済学部教授(本学会常務理事) 岡村 国和 原子力損害を定性的・定量的に把握するのに長い時間を費やした。次いで、どれくらいの頻度で発生するかが問題となった。解決の糸口となったのが、1975年の「ラムッセン報告(WASH1400)」である。同報告書で、原子炉の重大事故の発生率は10-6年(原子炉1基あたり100万年に1回)であるとされた(もちろん現在ではもう少し精度が上がっている)。こうして原子力損害に対する保険のメドがついたが、同時に原子力発電の「安全神話」も生まれた。しかし、そのわずか3年後にスリーマイル島原発事故、6年後にチェルノブイリ原発事故(1981年)が発生し、この「安全神話」は瞬く間に世間から忘れ去られた(はずであった・・・)。 ところで、日本の原子力損害賠償制度は、アメリカのプライス=アンダーソン法(Price-Anderson Act of 1957)を参考にして1
政府は東京電力福島第一原発の廃炉費用や賠償費用を、4月の電力小売り全面自由化で参入した「新電力」にも負担を求める方向で検討に入った。東電の廃炉費用が想定の2兆円を大きく上回る見通しとなり、新たな財源確保が必要と判断した。大手電力会社が持つ送電網の「使用料」に上乗せして、新電力にも支払わせる案が有力だ。 経済産業省は27日、総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)の下に小委員会を設け、具体的な制度設計を始める。年内にとりまとめ、来年の通常国会に電気事業法改正案の提出を目指す。ただ、原発を保有する大手電力が本来負うべき責任を国民全体に負わせる形になり、「東電救済策」という批判は避けられそうにない。 原発の廃炉費用は、その原発を持つ大手電力会社が自社の電気料金からまかなうのが原則だ。巨額の費用が見込まれる東電福島第一原発の廃炉などについては、大手電力会社が負担金を納める国の認可法人「原子
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