韓国の珍島付近で旅客船が沈没した事故で、日本の専門家から航路の選択や乗客の避難方法を疑問視する声が上がっている。 海難事故に詳しい東海大海洋学部の山田吉彦教授は、霧で出港が遅れた船が時間短縮のため通常とは異なる航路を選んだとの情報に着目。「予想より近くにあった暗礁にぶつかり、船底に亀裂が入って浸水した可能性が高い」と話す。 日本の旅客船が遅れを取り戻す際は航路を変えずに速度を上げるのが一般的だが、燃料を多く消費することになるという。 また、事故当時、船内での待機を指示する放送が流れたという乗客の証言について、山田教授は「船体が大きく損傷していることを船長が認識できず、多数の乗客を避難させる訓練も不十分だったのではないか」と推し量った。 直ちに救命ボートを降ろし、乗客を海上に逃がすべきだったと指摘。「船長の判断が問われることになるだろう」と述べた。