研究データを中心にオープンサイエンス政策が世界で積極的に取り組まれている。日本でも2017年度に総合科学技術・イノベーション会議においてオープンサイエンスが政策討議の対象となり、2018年6月に閣議決定された統合イノベーション戦略において、科学技術に限らない広く社会への波及を念頭においた「知の源泉」づくりを担う基盤としてオープンサイエンスが位置づけられた。オープンサイエンス政策の取り掛かりとなる施策としては、研究開発法人や研究助成団体の研究データポリシーの策定、研究データ基盤の構築等が進む。研究データの共有・公開は、研究領域や研究の目的に応じて様々な特性を考慮した戦略的な開放がオープン化政策の本質になる。 キーワード:オープンサイエンス,政策討議,統合イノベーション戦略,データポリシー,戦略的開放 世界各国で取り組まれ、主として公的資金を投じた研究の成果をより広く共有・公開して利活用を促す