「弁護士が選ぶ法曹界を描いたドラマ・漫画・映画ランキング」映画部門で1位に選ばれた「それでもボクはやってない」(2007年公開)。監督を務めた周防正行氏は、刑事裁判のありかたに驚き、それを伝えたくて、全公判をリアルに描くことにこだわったという。法制審議会の「新時代の刑事司法制度特別部会」で委員も務め、現在も刑事司法のありかたなどに積極的に発信する周防氏に、映画の意図や現在の法曹界のあり方などについて聞いた(インタビュー日:2021年4月17日、都内にて)。 2021年6月号の雑誌に概要版を掲載したインタビューの完全版を2回にわけて掲載。2回目は、刑事司法のあり方や、クラウドファンディングの活動、裁判所・裁判官のあり方や、今後の映画製作への思いについて紹介する。 全面的な証拠開示を進めないと、裁判は変わらないーー刑事司法の中で強く問題を感じるのはどの部分でしょうか。 証拠開示です。取調べの可