草村北星が龍吟社を興すに伴って様々に試みたのは、編集と製作、流通販売の分社化に加え、流通販売の革新も同様だった。 そのことについて、誠文堂新光社の小川菊松が『出版興亡五十年』の中で、次のように書いている。 『出版興亡五十年』 草村北星が創立した隆文館は、一般の出版業であったが、一方に大隈侯を総裁に仰いで、大日本文明協会を組織し、五十巻の翻訳書を刊行して、外交販売で成功し、また隆文館名で発行した「大日本美術略史」という、一冊百円の豪華本を外交販売に付し、また建築工芸学会を組織して、「建築工芸資料」を定期的に刊行して、これも外交販売の一手であった。同氏は隆文館を引退してから、竜吟社を創立、別に財政経済学会を組織して、共に外交ものばかり出版した。「明治大正財政史」や「明治経済資料」の数十巻ものを始めとし、「新聞集成明治編年史」「日蓮全集」「白隠全集」等々を続々発行し、最後に「ショパン楽譜全集」二
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