今日の毎日新聞夕刊で中島岳志と対談しているのは片山杜秀。やっぱりこいつが来たか、という気がしている。恐らく中島は、戦争は絶対いかんが天皇はよろしいという戦後民主主義者だろうと睨んでいたからで、ただその内容たるや、例によって妙に抽象的かつ俯瞰的で、二人とも、天皇制がなぜいいのかを論じない。まああの程度の紙面では徹底討論はできないだろうが、片山は、右翼の一君万民に対して左翼は一君なしの万民思想で「『自立した孤独な個』が対等に連帯すること」だと言い「人間はそんなに強いものでしょうか」と言っている。しかし、それを言うなら自立した孤独な個に対立するのは、強固な共同体であって一君ではない。事実、立憲君主制と共和制とで、個々人の心理のあり方がそう変わるものではない。重要なのは共同体の強さでしかあるまい。天皇がいるから日本人は安定しているなどと言うのはそれこそ土人部落の酋長、と言いたいところだが、土人部落