この連載では、多角度からパーソナル・ゲノム・サービスの現象と本質を俯瞰しながら、数々の遺伝子検査にまつわるトピックを探ってきた。世界の動向を追ううちに明確な事実に気づかされる。それは、23アンド・ミーに出資し、情報ビジネスの頂点に君臨するインターネット検索エンジンGoogleの存在だ。Googleが虎視眈々と狙うヘゲモニー(覇権)は何なのか? 今回は、グローバル戦略を駆使するGoogleが取り組む、研究機関向けのヒトゲノム・データベースサービス、グーグル・ゲノミクス(Google Genomics)にスポットを当てよう。 人類が使うすべての情報を集め、整理し、世界中の人々がアクセスして使えるようにする。そんな人類未踏のビジョンと希有壮大なミッションを掲げてスタートしたGoogle。「余の辞書に不可能の文字はない」がナポレオンなら、「世界にアクセス不可能の情報はない」がGoogleだ。ググれ